HOME > 高度不妊治療 > 凍結融解胚移植

高度不妊治療

凍結融解胚移植


  • 超急速ガラス化法の誕生で、初期胚のみならず胚盤胞も安全に保存可能に!
  • 刺激周期は、子宮内膜側の胚の受け入れ態勢がベストではない可能性がある
  • 凍結技術の進歩で安心して単一胚移植ができるようになった
  • 着床率が高い胚盤胞を子宮内膜が理想的な周期に戻す凍結融解胚盤胞移植

良好胚を凍結保存し、子宮内の環境がベストな周期に移植することで着床率がUP!目指すは最も妊娠率が高い凍結融解胚盤胞移植

凍結融解胚移植と超急速ガラス化法

 凍結融解胚移植とは、体外受精や顕微授精でできた胚(受精卵)を凍結保存しておき、採卵した周期とは別な周期に融解して子宮内に移植する方法です。この技術で子どもに異常が起こることはなく、安全性も確立されています。
 胚凍結は、従来まで、緩慢凍結法といってゆっくりと温度を下げて凍結する方法でおこなっていましたが、この方法では、凍結融解の過程で起こる様々な凍結傷害により、十分な生存性を得ることができませんでした。
 この問題を解決したのが、超急速ガラス化法の誕生です。凍結スピードを極限まで速めることによって緩慢凍結法にみられた凍結傷害を回避し、融解後の生存性を飛躍的に向上させました。
 当クリニックにおいても、胚盤胞のグレードや大きさに限らず、融解後には99%の生存率を保っています。
 また、胚盤胞にだけでなく初期分割期 (4細胞・8細胞) の受精卵においても実施可能な方法です。
 (2009年度実績:276個を融解し275個が生存)

凍結保存が可能になったことによるメリット

  1. 着床率(妊娠率)がUP!
     採卵した周期は、子宮内膜も少なからず排卵誘発剤の影響を受けているので、子宮内膜の状態は必ずしもベストとはいえません。子宮内の環境が整った周期を選んで戻せるので、着床率も高くなります。
  2. 移植しなかった胚を無駄にしない
    日本では、平成20年に出された日本産婦人科学会の会告にならい、ARTをはじめて受ける35歳未満の方には、単一胚移植が行われています。万が一、採卵周期に戻したフレッシュな胚が着床しなかった場合でも、凍結保存しておいた余剰胚が使えます。また、凍結胚がある間は卵巣刺激や採卵をしなくてもすみます。
  3. 多胎妊娠の防止に役立つ
     凍結技術が進歩したことで、「残った胚がもったいない」という意識が働かない分、安心して凍結保存を選択でき、移植数をセーブできます。

自然周期に戻すか、ホルモン補充周期に戻すか

 凍結胚を戻すときは、自然周期に排卵を起こしておいて戻す方法と、排卵を起こさずに卵胞ホルモン(エストロゲン)を投与することで子宮内膜を整えたホルモン補充周期(HRT)に戻す方法があります。
 黄体ホルモン(プロゲステロン)が十分出ていて、月経周期が規則的な方は、自然周期でも移植可能です。
 また、無排卵の人、移植日をあらかじめ決めたい人、自然周期には子宮内膜の状態が思わしくない人はホルモン補充周期に戻すことになります。この場合、長期間(妊娠10週頃まで)にわたって黄体ホルモンを補充する必要があります。

今、最も妊娠が期待される凍結融解胚盤胞移植

 凍結融解胚盤胞移植には、上記の凍結融解胚移植のメリットに、胚盤胞が持つ二つのメリットが加わっています。
 まず、受精卵 (胚) が成長して胚盤胞になるということは、それだけで強い生命力を持っているということの証明になります。残念ながら途中で発育を止めてしまう胚がいる中で、胚盤胞に成長した胚は、エリートの中のエリートなのです。言うまでもなく、高い着床能力を持っています。
 そして、もうひとつは、胚盤胞の細胞数の多さにあります。成長して大きさを増した胚盤胞になると、100〜200個もの細胞から出来上がっています。例えば、凍結と融解の過程で、8細胞期の胚のうち4個の細胞がダメージを受けるのと胚盤胞の100個の細胞のうち4個がダメージを受けるのとでは、はるかに胚盤胞としてのダメージが少ないのがお分かり頂けると思います。
 つまり、胚盤胞は、高い着床能力と凍結に対する強さを兼ね備えた胚なのです。
 当クリニックが力を入れている『凍結融解胚盤胞移植』は、「子宮内膜の胚を受け入れる能力が高いタイミングを選んで、着床能力の高い胚盤胞を移植する」方法です。現時点では、最も妊娠の可能性が高い胚移植戦略といえるでしょう。

-196℃の液体窒素内で保管される胚

 胚の凍結には、-196℃の液体窒素を用います。-130℃以下では、ほぼすべての生体活動が停止して冬眠状態になりますので、長期間、劣化することなく保存ができるのです。凍結融解胚移植の際は、融解のダメージを受けることなく、無事に細胞分裂を再開した元気な胚を選んで移植します。

←写真1(胚が凍結保存されているタンク)